AzureのLLMプロダクト開発支援ツール!プロンプトフローの入門

はじめに

こんにちは。ARISE analytics(以下ARISE)のInnovation & Growth Divisionに所属するエンジニアの渋谷です。

今回は大規模言語モデル(LLM)のシステム開発に役立つプロンプトフローというツールとその使い方、実際にARISE内でプロンプトフローを活用するイベントを開催した際にARISEメンバーがプロンプトフローで作成したプロダクトの一部を紹介します。

プロンプトフローとは

プロンプトフローとはLLMの処理を含む開発をローコードで実現できるツールです。 グラフィカルに処理と処理のつながりを表示できるので理解しやすく、評価や実験もGUI上で簡単に実施できます。

また作成したプロンプトフローで作成したプロダクトをAPIとして簡単にデプロイできます。

Harness the power of Large Language Models with Azure Machine Learning prompt flow – Microsoft Community Hub

Azure AI Studioのプロンプトフローの使い方

プロンプトフローはVSCodeの拡張機能やAzure AI Studio、Azure Machine Learingから使うことができます。今回はAzure AI Studioを使う場合のプロンプトフローの使い方について解説します。

プロンプトフローはフローという単位で成果物を作成できます。

プロンプトフローを選択し、作成ボタンからフローを作成できます。

作成ボタンを押すと、「標準フロー」「チャットフロー」「評価フロー」というテンプレートと、ギャラリーを探すからより詳細なテンプレートフローを選択できます。

「標準フロー」ではPythonのコードやLLMの使用などカスタマイズ可能なフローが作成でき、「チャットフロー」では標準フローに加えてチャット形式に特化したフローが作成できます。「評価フロー」では、システムの出力がどれほど適切か・目標の条件と合致しているを測定するためのフローが作成できます。

プロンプトフローは入力、出力といったブロックを組み合わせて処理を構築できます。

フローにおいてブロックを追加・編集する際はフローに組み込めるかどうかを確かめるために「入力の検証と解析」が必要になります。

この「入力の検証と解析」やフローの実行には、あらかじめランタイムを設定する必要があります。

プロンプトフローは実行のログが詳細に吐き出されるのも特徴です。

出力はもちろんdurationやトークン数などの数値を確認することが可能です。

応用: プロンプトフローを用いた成果物

プロンプトフローを利活用すると様々なプロダクトを作れます。

実際にARISE内でプロンプトフローを活用するイベントを開催した際のプロダクトの一部を紹介します。

プロダクト1: arXiv の論文を調べ翻訳させてメール送信

こちらはarXivの論文をサーバーから取得して内容を整形してLLMに翻訳させメールの送信するプロダクトです。

上記の複雑な処理をプロンプトフローでは「論文取得」「整形」「論文翻訳」「メール送信」と切り分けて、わかりやすく実装できます。

以下に実際のフローを示します。

プロダクト2: プロンプトフローで推しを作る

こちらはプロンプトフローを使って推しのキャラクターを作ってみるというプロダクトです。

推しをより正確に近づけるために、「推し生成」「生成文評価&微修正」と処理の切り分けて実装しています。

以下に実際のフローを示します。


このようにプロンプトフローを使えば複雑な処理を分割して簡単に実装できます。またプロンプトフロー上で、プロンプトの計画、出力の確認、プロンプトの調整、再実行のPDCAサイクルが完結するため、効率的な開発が可能です。

おわりに

本記事ではプロンプトフローの使い方や応用例について解説しました。

プロンプトフローは、LLM利活用方法の一つとして知っておきたい技術だと考えています。

ぜひ参考にしてみなさんのプロジェクトに役立ててください!

また、ARISEでは不定期で生成AIイベントを社内で実施しています。興味のある方は、ぜひ下記よりお問い合わせください!エントリーをお待ちしております!。

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